不倫のお誘い

毎週、木曜日と土曜日は近所にメルカート(市場)が立つ日。

月曜日のレッスン用にお魚を買わなくてはならなくて、土曜の朝、ひとりマルシェに行った。

途中、日本人らしきご夫婦を見かける。「うーん、どこかでお見かけしたような??」と思いつつ、あちらもこちらに気がついたようなので、とりあえずお互いお辞儀。

それ以上はなしだったので、やっぱり他人のそら似?と思いながら通り過ぎた後、なにやら視線を感じる。振り向くと通りの向こうで、ご夫婦二人でこちらを見てらっしゃる。

奥様の顔を見て、やっぱり知り合いだと気がついた。一度、ご夫婦で家に遊びに来てくださったにも関わらず、記憶が薄れていた。

「そうかなーと思ったんですけど」とご主人。私も同じです。

最近、特に人の顔が覚えられない。いろんな事を、さらっと流しすぎる傾向がある気がする。でも、若いころは、さらっと流していても、記憶の端に残っていたのに。うーん、もっと頭を使わなくちゃいけないかも。

で、彼らはメルカートへ。私は、その前にバールへトラムのチケットを買いに。
相変わらず、「カルネ(回数券)」を聞きなおされる。嫌いだ。この単語。
で、バールを出たところで、呼び止められた。

「あなた、中国人?」ってバーテンダー。
「いえ、日本人です」と私。でも、何人だからって関係なさそうな反応。だったら、聞くな。
「結婚しているの?」
「はい、してますよ。」と答えると、なにやら嬉しそうに「僕もしているんだ」と。

なんか不思議な反応だなーと思いつつ、尚彼の質問は続く。

「子供は?」
「娘がふたり。でも、ここには住んでいませんけど]とつい余計な事を。
「うちは娘がひとり。ミラノに一人で住んでいるんだ」と男。

もういいだろう、と立ち去ろうとすると、男はまた話し続ける。

「ね、夫婦生活って疲れない?疲れるよね。ね?そう思わない?」
「はぁ?いや、別に、、、」
「夫婦生活に疲れるのって、普通の事だよ。特にイタリアではね。
だから、そういう時は、変化を求めるわけ。」

ここまで言われて、やっとその男の言っている意味が分かったわけで。
しかも、この「疲れる論」を二度も三度も繰り返し、私に同意を求める。

その変化を私に求められてもねー。  それに、、、。
そういうお誘いを受けただけで光栄って思える人なら、まだしも。
なんだか、誘われて悲しくなるような奴じゃ、記念にもなりゃしない。

「別に疲れちゃいませんし(本当は疲れてたりして)、やりたい事沢山あるから、忙しいんですよね」って、しょぼい奴の顔を見ながら、ハッキリくっきり言った。

ちょっと残念そうな顔をしながら「また、来てねー!」だって。 アホか!

せっかくの爽やかな土曜日の朝が台無し。ああ、なんだか胸やけを起こした。

これを、イタリア生活5年目の友人に話したら、「よくあることよ」と。
家族ぐるみのお友達の夫が、別の友人を平気でパリ旅行に誘ったらしい。もちろん、二人旅行。どういう神経しているんだ!とその友人は怒り、その後はぷっつり友好を絶ったという。

既婚者がそれを隠すことなく、しかも、「不倫」という背徳行為のような後ろめたさもなく、どうどうとやってのけるイタリア人。

石田純一なら理解はできるだろうけど。私にはムリ。
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by suzume-no-oyado | 2009-05-07 00:32 | 暮らし | Comments(8)
Commented by Mima at 2009-05-07 11:56 x
Suzumeさん、すごいお誘いを受けたのですね(笑)。結婚という定義が私のそれとかなりズレがあると感じました。でもこれが「よくあること」だったらイタリアは疲れる国なんでしょうか(笑)。アメリカも結構疲れる国だと感じることがありますが、ここまで大っぴらに不倫をすることはあまりないと思います。疲れていると、不倫するエネルギーなんかないというのが私の持論ですが、イタリア人は反対なんですね(笑)。きれいに言えば情熱的。でもその裏は背徳行為そのもの。理解に苦しみます。ハイ。
Commented by さとみーな at 2009-05-07 16:50 x
人生を楽しみすぎ感がありますね。
周囲のことはお構いなく・・・ね。
我慢も足りないです・・・よね。
本能のまま行動・・・・いわゆる動物から成長できていないのでしょうね。

ベビーカーを押しているとき、ナンパされました・・・。
ありえません・・・・。


Commented by suzume-no-oyado at 2009-05-07 21:55
Minaさん、「疲れていると、不倫するエネルギーなんかない」というより、スイーツと一緒で別腹なんじゃないでしょうかね(笑。

石田純一もイタリアに住んでいたら、ごく普通の価値観の人だったんでしょうね。

Commented by ポポ手 at 2009-05-07 21:58 x
きゃー、なんか読んでるこっちはどきどきしちゃった。きっとその「しょぼい奴の顔」を見てないからなのね。
しかしさすがイタリア。いま、そちらの首相(72)の離婚話は日本のワイドショーでも盛んにやってます。子供の誕生パーティには行かなかったのに、18歳の「小娘」の誕生パーティには行ったって、52歳の奥様に離婚を宣言されたって。
なんか、いろいろ凄いですね。
Commented by suzume-no-oyado at 2009-05-07 22:03
さとみーなさん、そりゃ、すごいですね。ベビーカーを押してるママにナンパですか!

呆れるのを通り越して、おみそれしました!です。

「我慢」という言葉は、ラテン系の国には存在しない気がしてます。
その場で吠えたり、噛みついたりする奴の多い事ったら。嫌になります。
 
時々「我慢しない奴」に我慢している自分が馬鹿らしくなる事があります。
Commented by suzume-no-oyado at 2009-05-07 22:09
ポポ手さん、自分が情けなるくらい「しょぼかった」です。
アリンコみたいな、、、。

そう言えば、もう一件、すごい例が。70歳ちょいの男性が50歳代の元カノとよりを戻したくて、猛烈に口説いているんですって。彼曰く、「まだまだ、毎日○e○もしたいし、子供も欲しい」って。
その、爺さんの顔を見てみたいです。
Commented by k at 2009-05-08 05:22 x
ふふふ、わたしも先日ルクセンブルグのホテルのロビーでパソコンやっていたら声掛けられたのよ。あちらが本題切り出す前に夫がうしろから「さあ、戻ろう」と現れたので一目散で逃げてしまって肝心のところを聞き逃してしまったわ。でも女だったらダレでもよかったんだと思う・・(-_-;) 夜のそういう時間帯だったから。すずめさんのイタ男とたぶんどっこいどっこいなくらい「近寄らないで」オトコでしたわ。今更美男なんて望みません。だから少なくともこちらが自慢できないお方には遠慮していただきたいものです。
Commented by suzume-no-oyado at 2009-05-08 06:47
kさん、別に高望みをしているわけじゃありませんが、「ちょっと嬉しかったな」と思える方がいいですよね。得した気分っていうんですかね。

今朝は、散歩の途中で、ちょっと素敵なイタ男を見かけました。ちらっと眼があっただけで、なんか得した気分になって、一日のスタートが爽やかに切れました。

目が楽しいだけで大満足です。
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