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Fai della paganella

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昨年暮れ、次女が帰ってきた時に、3泊4日で温泉旅行に行ったのが、このファイ・デッラ・パガネッラ。トレントの北にある、スキーリゾートで有名なところらしい。

そこまで行くのに、目的はスパ。家族旅行に来たのに、スキーをしない夫をほっぽらかして、娘とスキー・スノボ三昧では、ちょっと可哀想なので。

かわいい山小屋風のホテル。前には美しい稜線、後ろにはゲレンデ。気持ちが洗われる。

3人なので、ジュニア・スイートの少し広い部屋を選んだつもりだったが、思ったより狭い。でも、そう悪くは無い。

ベランダに出ると、「めぇ~」と羊か山羊ののどかな声が。見降ろすと、小さな小屋があり、そこに鶏やら山羊が暮らしている。山羊は絵にかいたような、まるでトロルをやっつけたような角の立派な山羊。

「ヤギがいるよ~」とはしゃぐ私に、
「臭いんじゃない」と現実的な夫の返事。

思わず、隠し味を探す味見のように、鼻をひくひくさせる。爽やかな空気の中に、かすかな山羊のうんちの匂い。その途端、はしゃぐ気持ちは何処へやら。

まずは目的のスパ探索。ジャクージーにプール、外にも温水プールがあり、まるで露天風呂のよう。サウナも、何種類もあり、なかなかよさそう。早速、次の日からのマッサージの予約を入れる。

このホテルは、3食付きでスパも少しの使用料で1日使い放題。以前行ったボアリオのスパは2時間限定で使用料が結構したので、使い放題のこのホテルを選んだ。どうせなら、1日、プールサイドで本を読んだりして過ごしたかったから。

が、その後、このホテルを選んだ事を後悔する羽目に。

夕飯に行くと、とにかく子供、しかも10歳以下の子供が多い事に気がつく。しかも、食後にバールでカクテルでも、と思ったのに、そこも子供で埋まっている。ソファーには子供がふんぞり返り、よちよち歩きの赤ちゃんがあっちに行ったり、こっちに来たり。ファミレスもびっくりな状態。カクテルを飲みながら、リラックスなんて確実に不可能。仕方なく、部屋に戻る。

次の日、朝一でジムでひと汗かき、その後、楽しみにしていたマッサージへ。前日、予約をした時に女性しか見かけなかったので、特別にリクエストをしなかったら、事もあろうに、娘の担当が若い男性。泣きそうな顔をして、立ち去る娘。ごめんね、確認しなくて、、、。

幸い私の担当は女性。なかなか上手だった。夫は、まるで米米クラブのひげ親父のような男性。後で聞いたら、マッサージの最中ずっと、「はい、息を吸ってー、はい、吐いてー」と、寝てる暇がなく、リラックスとはほど遠いものだったらしい。

娘は、もっと悲惨で、怪しいインテリアの別室で若い男と二人きり。しかも、力を入れる度、ダースベーダーのように「はぁぁぁ~~~はぁぁぁ~~~」と気味の悪い息を吐く。「わたし、もうだめかも、、、」と観念したそうだ。なので、リラックスどころか、1時間恐怖の時間だったとの事。気の毒に、、、。

気を取り直して、午後はプールで、至福の時。が!それも束の間。3時過ぎに、ぞろぞろとオコチャマ軍団がお出まし。

子供用のプールもあるので、多少の事は目をつぶるつもりだったが、10歳近くの子供たちが子供用プールで満足行くはずもなく、大人用プールに出没。しかも、プールサイドから、奇声を上げてダイブをして遊んでいる。当然、水しぶきはベッドで寝ている私たちのほうにも、バッシャバッシャとかかってくる。

たしか、ここはウェルネス・センターのはず。静かにリラックスを期待して選んだはずなのに、この光景はまさしく私営プール。仕方なく、大人だけの領域、サウナのほうに移動すると、やはりこの喧騒から逃れてきた大人たちで埋まっている。まるで難民状態だ。

こんなはずじゃぁ、、、、。このヴァカンスの企画をになった私は、素直に謝罪。まったくもって、大失敗である。せめて、食事が美味しければ、慰めようもあったのだけど、これも、良く言えばカジュアル、はっきり言えば、「何が悲しくて、ヴァカンスでこんなものを食べなきゃいけないんだ」のレベル。

もし、娘たちが小さければ、このホテルは大正解だったのだろう。多少騒いでも、走り回っても、お互い様。しかも、子連れで食後のバールも楽しめる。そう、ホテルのせいじゃない。ましてや子供のせいでもない。完全に私の選択ミス。でも、はっきり言って、このホテルのHPにすっかり、だまされたって気がする。だって、写真はとっても素晴らしかったですから。

この落胆に追い打ちをかけるように、夫と娘の大ゲンカ。ちょっとした行き違いだった。娘の話に、見当違いな突っ込みをした夫と、それに過剰反応した娘。言いたい事を言う娘と夫。そうだった。このふたり、言いたい事をぶちまけなければ気が済まないタイプ。「親に向かってこんな口のきき方」の娘に対し、娘の傷口に塩を塗り込むような事を平気で言う夫。泥沼、、、。娘は大泣き。化粧も落とさず泣き寝入り。とんだヴァカンスだ。

恐ろしい言いあいをした彼らは、次の朝には普通に話している。長期戦にならないのは助かるが、あの泥沼を見せられた私は堪らない。それからというもの、彼らのコミュニケーション能力不足にびくびくし、いつ、またおかしな事になるんじゃないかと、すっかりトラウマになってしまった。

疲れる、、、、。

そんな、私に「休みに来ているのに、なんだか疲れた顔をしているね」って夫。

誰のせいだっちゅうのっ!!!(怒

家族旅行、したいけど、したくない。

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山の側面に沿う散歩道。そこからの景色が一番良かった今回のヴァカンス。
by suzume-no-oyado | 2010-02-17 21:13 | 暮らし
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