119番

いつの事だったか、あまり記憶が定かではないのだけれど、
娘達は既に学校に通っていたと思う。

夫の事務所は、家から車で3分の所にあった。
歩いていける距離なのに、あくまで彼は車で通ってた。
それだけ近かったから、当然の如く、お昼はうち。

春日よりのいい天気だったが、そこはイギリス。
一日のうちに一回は雨が降ったりする。(いつもじゃないけど)

その日は、ペンキ屋さんが来ていた。家の外側の為。

キッチンで夫とランチしていた時、急に、
「わあぁぁぁぁーーーー!!!!」
と、悲鳴が聞こえたと思ったら、ドッスーンと鈍い音がっ!

ペンキ屋さんが落ちたんだっ!

急いで、外に出てみると、パティオの上に倒れている彼の頭の周りに
血がドワーッと広がってる。

ヒョエ~!夫婦揃って、卒倒してしまった。

幸い、ペンキ屋さんには意識があった。
起き上がろうとする彼に、「動かないでっ!」っと叫び、濡れタオルで頭を抑えてもらい、
電話の方に走る。

「き、救急車を呼ばなくっちゃ!」

受話器を上げ、番号を押す。
エー、繋がらないじゃない。どうしてー?

横で夫が怒鳴った。
「バカッ!おまえ、119番押してるって。」

そうだった。ここはイギリス。
救急車は999。
分かってる筈だったのに、長年インプットされた番号は、なかなか上書きされないのね。

やがて救急車は到着し、土足で我家のリビング・ダイニングを横切り、
彼は運ばれていった。

次の日、元気な(?)彼が顔を見せに来てくれた。
最初に背中から落ちたので、頭の方は大丈夫だったという。ご心配お掛けしました、と。

よかったよかった。
もしもの事があったら、ここには住んでいられないもの。

恐いでしょ。庭で人が亡くなった家なんて。

ありがとう。ペンキ屋さん。
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by suzume-no-oyado | 2006-04-11 22:56 | 暮らし | Comments(2)
Commented by soleil at 2006-04-12 09:02 x
ほんと、大事に至らなくてよかったです。次の日に元気なお顔をみれたことでさらに安心ですよね。以前、家の近くのスーパーに買物に行く途中、年配の方が急にバタンっって倒れて、すぐに救急車で運ばれたけど、、今でも、あのおじさん大丈夫だったのかな、って思いますもの。
救急車、イギリスは999なのね。フランスも同じでしたっけ?

人が死んだ家って価値(値段)が下がるのかしら。日本では、そういう家は安くなったりするって聞きます。
Commented by suzume-no-oyado at 2006-04-12 15:29
ソレイユさん、フランスはまた違う番号なんですよ。ややこしいったらないでしょ。家の値段は、、どうでしょうか。有名になってしまった事件じゃない限り、秘密にしてそうです。今のアパートは40年ぐらいのものですが、実際何か起こってったってわかりゃしないですもん。あ、なんか恐くなってきた。
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