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たった3円のプライド

暴漢に襲われて怖い思いをしたり、騙しのフランス商法にまんまと引っ掛かったり、
ホトホトフランス生活に疲れを感じてた矢先、またもや事件が。

あれは、ちょうど石原都知事が「フランス人は計算が出来ない」って
余計な事を言った去年の夏。
思わず、諸手を挙げて賛成したくなった事を覚えている。

マルシェに行った。
いつも行く八百屋さんが込んでたので、仕方なくもうひとつの店へ。
ここは好きじゃない。
だって、店の人がやな感じだから。
でも、急いでたし、しょうがないか、、。

あれやこれやと買い込み、締めて15ユーロ84ソンティーム。
20ユーロ紙幣を出したら、21無いかと言われ、21ユーロを渡す。

おつりを渡され、見ると5ユーロ14ソンティーム。
ん?2ソンティーム足りないじゃん。

たった2ソンティーム。
どうでもいいといっちゃあ、いいんだけど、舐められたみたいでなんか面白くない。

思い切って言ってみた。
「ムシュー、2cts足りないんですけど。」
そしたら、ムシュー、首を大きく振りながら、
「貴方は私に21ユーロ渡したんだから、これで合ってるんだよ。」と。

「ノン、ノン、ムシュー。14じゃなくて16でしょ。」

ここで、はぁ~、とため息をつかれる。
「21からじゃ、貴方には難しすぎたかな。」

はぁあ?!
ちょっと何を仰ってるの?
私が計算が出来ないって?  ざけんじゃないわよっ!
私を誰だと思ってるのよっ。
暗算お得意日本人だって―!

あんまり腹が立ったので、つたないフランス語はもっとつたなくなり、でて来ない。
隣に立っていたおじさんが英語ができるというので、事の説明をした。
そしたら、この彼、「ムシューがあってる。」って。
うん。 ぇえっ?!
あ、あんたっ!英語は出来るけど、計算は出来なかったのかいっ!
聞く人を間違えた。

だって、だって、1ユーロから84引いたら16でしょうって言ったって、
みんな、違う違うって。

誰か~助けてよ~!

気がつけば、私の後に長蛇の列。
みんな、「このバカ女、早くしろっ。」って顔して見ているし。
もう限界。
たった2ctsごときで、これ以上粘るエネルギーは残っていなかった。
それっぽっち、差し上げますよーだっ!

「ハイハイ、分かりましたよ。」と言って、立ち去ろうとした私に、とどめの一言。

「あんたにゃ、難しすぎたね。」

キー―!! ぐ~や~じ~!!

2cts。日本円にしたら3円ぽっち。
このたった3円で、私のプライドはズタズタになった。

暴漢に襲われた時は、二日もしたら忘れちゃったのに、
今回は野菜を使い切るまで尾を引いた。

こんな事なら、もっと粘ればよかった。
by suzume-no-oyado | 2006-07-08 03:10 | 暮らし
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