ティー・タイム

オプトミスト(楽天家)とペシミスト(悲観主義者)と言う言葉がある。
この言葉を初めて習ったのは、受験の時だった気がするが、
使う英語としてはイギリスの時。

それまでは、自分は楽天的だと信じきっていたが、どうも違うらしい。
特に子供が生まれてからは、そう思う。

長女が生まれた時、黄疸が出て、数日隔離された。
よしときゃ良いのに、育児書を読んでしまう。

「症状がひどい場合は、血液の交換もありえる。その場合、死亡の可能性、、、。」

ど、どうしよう、、、。そうなったら、とすごいショック。
たった一人きりの病室で、しかも外国で、ただでさえ心細いのに。

夫に訴えても、すっきりしない。
とうとう「うつ」がかってしまった私は、イギリス人の友人が訪ねてきてくれたときに、
爆発した。

折角来てくれたっていうのに、オーイオイ泣いてしまった。
でも、先月子供を産んだ先輩彼女は、太っ腹。
この不安定な気持ちをおそらく一番理解できる人だった。
だから、お決まりの言葉でなく、同じ視線で慰められたら、出口が見つかった。

このブルー状態から抜け出して以来、そこまで落ち込む事はなかったが、
それでも何かあると、すぐ最悪な状態を想像してしまう傾向が。

分かっているので、頭をよぎった時点で、箱の中にしまうようにしている。
考えても仕方ない事は、いっぱいあるもの。
心配はそうなってからに、とって置きましょう、と。

イギリスに住み始めた86年、秋。
胸にしこりが見つかった。  ガンかもしれない。
心配で来るものも来なくなって、もし、妊娠してたら諦めなきゃならない。

日本だと、当時でも細胞検査は簡単に出来たらしいが、そこはイギリス。
たかだかそんな検査も全身麻酔で手術。
大事になった。

イギリスには2種類の医療制度がある。
NHSとプライベート。
前者は、いわゆる「ゆりかごから墓場まで」と歌われた無料の国民医療。
いざ、検査、手術といっても、大抵ウェイティングリストで、かなり待たされる。
数ヵ月後先で、手遅れになった方もいるという。

ラッキーにも、プライベート保険に入ってた私は、プライベートホスピタルに即入院。
しかも、この手の病院はホテルライク。
ピカピカである。

入院前のパンフレットをみて、私ははすっかりホリデー気分。
あの、シリアスな気分はどこへ?

病室は勿論個室で綺麗。
楽しみなのは、入院食。
まるで、ホテルのルームサービスのように、ドリンク、スターター、メイン、デザートと、
それぞれ何種類もチョイスが。
ワオ!ステーキまである。
しかも、病状に差し支えない人用に、ワインリストまで。

のけぞった。

お見舞いに来てくれた人には、飲み物とクッキーが出るし、一緒に食事も出来る。
あ、食事は有料だけど。

まったく、何処にいくのか、これから何をするのか分からない状態で、
入院、そして手術。

術後の食事から楽しみにしてたが、麻酔の副作用で、ゲロゲロ。
その夜は、飲み物が精一杯だった。

残念。一食損した。

結局、検査入院だけで、3泊もする羽目になったが、上げ膳据え膳で、
それはそれなりに楽しい入院だった。

しかし、お茶の国イギリス。
飲む回数が違う。

起き抜けで1杯。
朝食で1杯。
10時のお茶タイムで1杯。
お昼で1杯。
3時のお茶で1杯。
夕飯で1杯。
就寝時に1杯。

起き抜けでミルクティーなんて、もったりしてイヤかも、なんて思ってたら、
これが美味しい。
こんなに飲めるか、と思っていたら、以外に平気。

退院後、すっかりこのお茶習慣が身についてしまい、お茶浸けの毎日である。

ところで、細胞検査の結果は、ただの脂肪の塊でしたとさ。
チョン!
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by suzume-no-oyado | 2006-09-03 15:31 | 暮らし | Comments(5)
Commented by ポポ手 at 2006-09-03 18:27 x
そつかー大変だったのですね。楽天的と思ってたお宿さんでさえそうなんだから、私なんてどうなっちゃうんだ!と思いつつ、読み進んでましたが、豪華な食事とお茶漬け(って書くと意味違っちゃうか)の日々は、大渡さん特有の楽しさ発見の書きかたとはいえ、ちょっと羨ましいかも。最近、ちょっとまた何もかも空しくなって引き籠もり状態だったのですが、九月になってから少し復活。我ながらペシミストと思ってる私ですが、年と共にペシミスト状態に飽きて来るのも早いみたいで……。
Commented by suzume-no-oyado at 2006-09-03 20:43
>ポポ手さん
ブログの更新が無かったので、忙しいのか、こもってるのか心配してました。ペシミスト状態もかなりエネルギーいると思うんですけど。
飽きっぽい私は、そんな調子でいつも飽きて、楽しい事を探してる次第です。
Commented by ポポ手 at 2006-09-03 22:09 x
心配してくれて嬉しいです…。ところでさっき、
お宿さんて書いたつもりが
>大渡さん
になっていました。お恥ずかしい。こんな名前の人は周りには誰もいません。
Commented by soleil at 2006-09-03 23:53 x
ご無沙汰していました。記事沢山アップしてあるのでびっくり。ゆっくり読ませてね。
至れりつくせりの病院。シビアな病気の人にはいっときでも安らぐと思います。日本でも産科はこういう病院が多いですよね。
具合が悪くなって、白とでるか黒とでるか、検査結果を待つ期間は本当に心細いです。脂肪の塊でよかった~

Commented by suzume-no-oyado at 2006-09-04 02:05
わ~い、それいゆさん、こんにちは。
この10年後にも別の件で入院、手術をしました。
幸い、切ってしまったらお終い、という簡単なものだったのでよかったんですけど。
なんか、私って「切った張った」の人生です。まだまだ続くのでしょうかね~。
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