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トホホな過去

夫がイタリアから帰ってくると、ビデオを借りる。
今は、例によって大河ドラマ「風林火山」をまとめてみている。
去年の「功名が辻」は、あれをまとめてみると、すっかり洗脳状態になった。
で、我家に大名誕生と相成り、妻はいたって迷惑をしたものだった。
でも、今回は「よき妻」物語ではないので、あれだけまとめてみても全然影響はない。
ほっ! 
自分の才能を前面に出し、チャンスを逃す事無くのし上がっていく姿は、男の夢とも言えるのではないかと、横で見ている妻は勝手に想像している。
「熟年よ、大志を抱け」ってね。
主人公の内野聖陽は、「ふたりっこ」の時からの隠れファン。
何かと嬉しいドラマである。

その後、別のビデオのバラエティー番組を見ていた。
ウイスキーのビンが何本か映し出された時、一瞬、ドキッ。
その中に、「ニッカ・ウイスキー」がなかったことに、ちょっとホッとする。
実は、あまり見たくないラベルなのだ。

あれは、私が小学3,4年の頃だったか。
バス通学をしていた私。
帰り道にある酒屋さんの前にバンが停まっていた。
ドアにはでかでかと、ニッカ・ウイスキーのラベルがペイントされていた。
あの、ロシア人らしきおじさんである。

ふたりの小学生。
何を考えたのか、10円玉でそのペイントをカリカリ落とし始めた。
誰も来ない事をいい事に、ちょっと夢中。

カリカリ カリカリ。  逆ぬりえである。

ある程度落としたところで、その日はふたりとも家に帰る。
そして、次の日。
私はたった一人だったが、昨日の楽しさが忘れられず、ひとりカリカリし始めた。
よしときゃよかった。
そう、見つかったんです。 お店の人に。
怒られた、怒られた。
せめて、ふたりだったら、いやなことも半分ずつ分かち合えたのに、、、。

いやはや、しかし。 なんちゅーガキだったんだろう。
たいして「悪い事」と思っていなかった感じがする。
それよりも、怒られたあと店の前を通る度、小さくなってそそくさと走り去っていた。

そう言えば、もうひとつ。これは高校生の時。

小田急藤沢駅前のキオスク。
店の前のコンクリートが新しく塗り替えられていた。
確か、立て札があったような無かったような、、、。
気がつかない私は、塗りたてホヤホヤの柔らかいコンクリートの表面に
むんずと足を踏み入れちゃった。
「えっ?!」まずいもの踏んじゃったかしら?と思いきや、
コンクリートの中にめり込んでいる自分の足を見て、ドヒャ~!
当然(?)逃げ帰りました。
次の日、塗り替えてある事を期待したけど、そこには、しっかと私の足型が。
まるでハリウッドの有名人の手形のよう。
一瞬、錯覚に陥った。
でも現実は、店の前の自分の足型を見るたび、ちょっと罪悪感。
数(十)年前に、駅前が一斉に立て替えられて、例のキオスクが陰も形も無くなり、
私の罪悪感も消え去った。

暗い過去は誰でももってそうだけど、人に迷惑をかけたものは、
いつまでも後味が悪いものである。
by suzume-no-oyado | 2007-02-27 05:43 | 暮らし
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