十二単

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昨日は、『インターナショナル・ウーメンズ・デー』 国際女性の日とでも言おうか。
なんかごろが悪い。おそらくきちんとした名称があるに違いないが、、。

その女性の日にちなんで、パリ・ユネスコ本部では十二単のデモンストレーションと女性による『能』の講演(?)があった。

あけみさんが招待状をゲットし誘ってくれた。
全部が招待状客。先着順で満席になり次第入場停止といった不思議な招待状。
ということで、開場30分前についたのだが、既に長蛇の列。
「早く行って、最前列かなんかに座って見たいよねー。」なんて言ってた私たち。
チッ!読みが浅かった。
でも、会場はかなりの収容力でとりあえず見通しの良い席を確保。

フランス人って日本通が多いって聞いてはいたけど、かなりの人が来ていた気がする。

薄暗い中、十二単の着物が運び込まれる。
そして、ふたりの女性の着付の方が着物姿(おそらく正装)でご挨拶。
まさか、このふたりのうちのひとりが着るわけじゃないよねーなんて心配していたら、
きちんとかつらを被った小顔の美しいモデルさん登場。

白地の着物に紺(ちょっと紫がかってたような)袴。
先ず、最初に無地の緑色を羽織る。
次に赤が来て、どんどん色が薄くなって、また少し濃くなる。
7枚(だったか)の無地の後、今度は柄の緑、そして最後に薄桃色の美しい柄の短い上着のようなものを羽織る。

着付ける方の手つきの鮮やかな事。
無駄な動きが一切無い。
着物を羽織ると、両脇の無駄な部分をサッと折り、紐で結び両脇をたるませる。
最後に、あれは今までの紐を全部取ったのか、一瞬でよく分からなかったのだけど、襟元をひとまとめにして、重ね直した。
つまり、そのままだと、それぞれの色で襟元が右・左・右・左と交互になっている所を、右と左それぞれひとまとめにしたわけ。
なんか、マジックみたいだった。
裾重ねも丁寧に広げ、それはそれは美しいものだった。

つい最近、藤原紀香の結婚式で十二単を見たばかり。
彼女の十二単も赤が基調で華やかなものだった。
あれはあれでよかったが、今回は抑え目の色を使ってあって、より雅に見えた気がする。

モデルさんにお扇子が渡される。
思わず「お雛様だー」と私。
ゆっくり優雅に歩く姿に、ほぉ~っとため息。
一周してステージ中央に戻った時、突然、お内裏様の登場。
はぁ~???
光源氏ばりの美しい若い人ならいざ知らず、出て来たのは、下膨れの中年男。
遠めで見たって、こりゃ人選ミス。職員の誰かがやっているのか??
間違ってもモデルの横に立つんじゃないわよ、と念じていたら、後ろを通り抜けただけだった。
思わずホッ。

残念だったのは、照明がかなりお粗末だった事。
色の美しさを見たいのに、何を考えているのか、照明を赤にしたり青にしたり。
暗くって、見えやしないって。
その上、音楽に一貫性が無くて、「雅」の世界に浸りたい私たちの邪魔ばかり。
企画は素晴らしいのに、なんか中途半端。

中途半端といえば、「能」の実演が見れると思っていたのに、なんとDVDの上演だけ。
その前に、ひとり舞ってくださったのだが、実演はこれだけ。
DVDと聞いた途端、会場からはひとり去り二人去り、かなりの方が帰られた。

私はといえば、長唄に血が騒ぎ、体がムズムズしていた。
一種のパブロフ現象だろうけど、ディスコ・ミュージックを聞くよりも長唄に反応する。
4歳から日本舞踊をはじめ17年間ほど習っていた。
「そんなに長く」と思われた方。そんなものじゃないそうです。
今回「能」を語ってくださった人間国宝の○○さん。
失礼いたしました。すっかりお名前を忘れてしまいました。
彼女曰く、「20年、30年では短すぎる。50年やって、やっと人様の前でお見せできるものに仕上がりました。」と。

さすが!極めた方の言う事は違う。
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by suzume-no-oyado | 2007-03-10 03:32 | 暮らし | Comments(8)
Commented by ポポ手 at 2007-03-10 10:43 x
十二単を着る場面の実演だったんですね。面白い趣向だね。
わたしも昔、十二単の前段階のとこまで着させてもらったことがあるけど、それはそれは重かったです。
能はただでさえ動きがなくて退屈なものなのに、DVDじゃお客も帰り出しますよね。
しかし、50年やって人様の前でお見せできるものになるとは、まずは長生きせにゃなりませんね。
Commented by soleiljap at 2007-03-10 14:20
フランス人日本びいきは、ベルエポックと言われる時代からずっときているのね。相撲や花火、歌舞伎や能、美術的な色彩や意匠は本当に世界に誇れるもの。着方の実演、面白そう。日本ではやらないでしょうね。肌襦袢はみせられないし、、十二単の肌襦袢ってどんなの?(笑)
日本舞踊17年すごいわ。長唄のリズムが身体に染み込んでいるのね。
今ふと17年続けているものはと考えたら、ありました!子育て!今年息子が17歳。そう考えると私にとっての17年はまだまだハナタレです。(笑)
Commented by suzume-no-oyado at 2007-03-10 15:44
ポポ手さん、ホントです。先ずは長生きせにゃ!
友人に「着てみたい?」と聞かれて、「もう少し若くかったらね。」と思わず答えてしまいました。どうせ着るなら、かつらもかぶってしっかりお化粧して記念写真を撮りたい、と考えてしまう私はかなりナルシストかマテリアスティックでしょう。
でも、ポポ手さんは少し体験したのですね。うらやましい。
確かに重そうです。一枚一枚がしっかりしたものでしたから。それに、か細いお姫様が来たならともかく、ちょっと体格のいい姫ぎみが着たら、すごい着膨れだったのでは、とその迫力を想像してほくそえんでしまいました。
Commented by suzume-no-oyado at 2007-03-10 15:53
ソレイユさん、十二単って12枚重ね着しているものと思い込んでいましたが、そうではないのですね。それとも、肌襦袢から数えるのでしょうか?
あの実演は日本でももちろんできると思います。
だって既に白い着物の袴姿で登場でしたから。その上に重ねていくのにも驚きました。袴の広がりであのシルエットになるような気がします。
20年、30年ではまだまだヒヨッコ。そう言われると、私たちも、これからって感じがして元気が出てきます。オー!がんばろう!
Commented by きっしゅ at 2007-03-10 21:06 x
いまだに出しっぱなしのお雛様もう一度眺めてしまいました。ただ重ねて着るだけじゃないのですね。あの広がりを見ると日本の美を感じてしまいます。日本人だけがもっている感覚的な美意識。フランス人の中にはそれに憧れのようなもの持っている人がけっこう入るんじゃないかしら。
Commented by studiopinot at 2007-03-10 22:32
日本国内でも、十二単の着付けはチャンスが少ないので良かったですね。
下膨れの中年男さん、きっと場違いを感じて通り過ぎて行ったのでは。
長唄に反応される。なるほど日本舞踊を17年間、素晴らしいですね。
Commented by suzume-no-oyado at 2007-03-11 00:02
きっしゅさん、交互に重なっていた襟元をサッとひとつひとつに重ねなおしてしまう技は素晴らしかったです。昔の姫君はあの色の重なりを楽しんでらしたのでしょう。日本の文化、大切に受け継がれていく事を願います。
Commented by suzume-no-oyado at 2007-03-11 00:06
pinotさん、本当にいい機会でした。会場であちらこちらからフラッシュがたかれてるのを見て、カメラを持ってこなかったことを後悔しました。
そうしたら、下膨れのお内裏様もお見せできたのに、、、。残念。
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