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クマの引越し

2泊3日でミラノに行ってきた。 目的は夫の引越し。
現在、ミラノから1時間半のピアツェンツァと言う町でホテル暮らしの彼。
一見優雅なようだが、週末のお休みの時も、朝食の時間までには起きなくてはならないし、掃除の為に部屋をでなくてはならないという制約付きの生活。
インスタントラーメンにご飯が食べたいといっても、それは無理な話。
地に足つけて生活をしているわけではないので、いつまでたっても落ち着かない。

去年の11月に見つけたアパート。まだ、完璧とはいえないが、ほぼ住める状態になった。
なので、今回、彼の一人暮らしの準備を手伝いに。

ベッド、電気製品、食器、掃除道具、エトセトラ。
買出し、掃除はいつもの私の仕事なので特別な事ではなかったが、かたや夫。
一体何から手を着けていいか分からない始末。
ウロウロする熊である。 使えない。

荷物運びは問題なし。 これはいつもの彼の仕事。
それが終わったら、まるで全て済んだようにベランダでタバコを吸ってるし。

床拭きを頼む。
ウェットシートをモップにはさみ、渡した所まではよかった。
でも、汚くなってもまだ拭いているので、洗うよう指示。
普段やらない事とは言え、マニュアル夫にため息。
でもね。ある意味、夫教育を怠った私のせいなのかも、と自己反省。

床掃除が終わると、またウロウロ。
大して動いてもいないのに「疲れた」を連発。
だんだんイラつく私。
掃除を殆んどこなし、彼のベッド・メイキングも終了。
やれやれ、と思った私に彼は言った。
「今ベッドやったら、次来る時までホコリかぶらないかな?」

ピキッ! ピキピキッッ!

「じゃあ、ご自分でベッドメイキングなさるわけねっっっ!!!!」
いけない、余計なこと言った、と思った彼。
「いえ、それでけっこうです。」  急に小さくなった。

たいした事はしなかった彼だけど、それでも私にはできない事をしてくれた。

新しい電気製品が使えるかチェックした。
アイロンOK。ドライヤーOK。その他、きちんとスイッチが入る事を確認。
洗濯機も使ってみなくては。
説明書片手に彼に説明。そしてスイッチ・オン。
蛇口から水漏れ発見。 とりあえずタオルを巻き、大家さんに連絡。
小さなアパートで、下に大家さんが住んでるので、とっても便利。
しかも、修理屋さんもすぐに駆けつけた。 おお~、フランスじゃありえない。
パリに越して来た時は、「すぐ来ますから」って2週間放置されたもの。
いや、イタリアでも普通はないのかもしれない。
たまたま、なのかもしれないが、ありがたい。

蛇口だけかと思ったら、問題は洗濯機が脱水の時に起こった。
脱水時にかなりうるさかったので見に行った彼。
「すごい動いてる~~!!」と叫ぶので、行ってみた。
すると、夫が洗濯機とまるで相撲状態。
何故かガンガンに前に滑っている洗濯機を身体を張って止めている。
こりゃすごい。

あービックリした。いくら床が滑るって言ったって、こんなの初めて。
設置してくれた会社のイタリア人に連絡を入れる。
すると、その彼。「よかったじゃないですか!エクソサイズができて」だって。

これだから、イタリア人って憎めない。
肩の力を抜いていこうっと。
by suzume-no-oyado | 2007-03-24 16:02 |
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