卒業式 イン ロンドン

今年一番のイベントが終わった。

ついこの間大学生になった長女が、無事卒業式を迎えた。
イギリスの大学は、学部卒業は3年だったり4年だったりで、娘の場合は3年。

娘の取った薬理学は、通常少なくとも4年だが、イギリスの場合は、集中講座並の忙しさで3年。おかげで、遊ぶ時間はほとんど無く、常に試験やらラボのレポートやらに追いまくられていた。スケジュールを聞いているだけでも、疲れるくらい。本当にお疲れ様、である。

9月7日に娘は一足先にロンドンの友人宅に転がり込み、8日に夫と私はホテルへ入った。

新装開店のそのホテルは、いまだ工事中だった。再び、外れた。がっくりである。
内装は、モダナイズされて奇麗だったが、上から カンカン コンコン ガーッ では、落ち着きゃしない。

気を取り直して、夜は、ミュージカル レ・ミゼラブルへ。実は、私は2回目。夫がミュージカルが初めてなので、最初なら王道を、とこれになったのだが、やはり良かった。

9日午前、卒業式は大学の近くのホールで行われた。
その日は理数系の一部の学部のみ。その他の学部は別の日に数日に分けて行われる。

ホールに入ると、卒業生とその家族で一杯。両親のみならず、じいちゃん、ばあちゃん、兄弟まで来ている家族も少なくない。ああ、本当に、大学卒業は人生で大きなイベントなんだと実感。

指定された席に座り、バンド演奏が始まる。そして、教授をはじめ、お偉方が正装して登場。例にもれず、長い祝辞の後、各学部ごとに卒業者が一人一人、舞台に上がる。舞台端の進行役に自分の名前の紙を渡し、名前が呼ばれ、中央の総長と握手をして舞台を降りる。成績優秀者のみ、何か渡され、総長と一言二言言葉をかわす。卒業証書は、その日には渡されず、自宅に送付される。

しかし。これが理数系の学生か?と思うほど、華やかな人たちもいて、結構楽しめた。
一番楽しかったのは、「ジャッキー・チェン」と同姓同名の人がいた事。

式が終わると、大学のメイン校舎に移動し、カクテル・パーティーが、各学部ごとに分かれて行われた。

久しぶりに大勢の人と話した。日本に来たデイブ君ファミリーは、両親と祖父母が出席。仲の良い家族だけあって、みんな気のいい方々。おばあちゃんが、元お料理の先生だとわかり、がぜん話がはずむ。今度、遊びに行く約束までしてしまった。実現するといいんだけど。

機嫌の悪かった夫が、すっかりほろ酔い気分。実は、式の前に、足を思い切り踏まれて、しかも誤りもせず立ち去られた。これが、一度目のむかつき。

そして、式の最中。前の席の女性がいきなり振り向き、「座席をけるの止めてくださいません」と、夫に向けて言った。夫の膝もつま先も前の座席には届いてない状態だったので、「私は何もしてませんよ」と言うと、「ああ、たまたま当たっただけなのね。気にしないで」とあくまで、夫の仕業にして、話を終えた。

で、ここで終われないのが夫。彼女の席の後ろにあったのは夫の膝と、彼の隣の男性。しかも、そっちのほうが断然長いわけで。ってことは、彼の可能性のほうが高かったのに、自分のせいにされた夫は、簡単に流せない。

聞えよがしに、文句を言い続け、しつこい事この上ない。「もう、いい加減にして」と何度言った事か。しばらくは大人しくなったが、時折こみ上げる、胸糞悪さ。
そして、再び、グチグチと。

「あのね、これ以上言うと、理不尽な言いがかりをされたあなたを可哀想と思えなくなるから。」の一言で、事はやっと終わった。
この粘着質の性格、治らないものだろうか、、、。(涙

パーティーの後娘と別れ、私たちは気分よくホテルに戻る。

そして夜。卒業式の特別な夜だから、ちょっと特別な食事がしたいと、
娘が選んだレストラン PIED A TERRE へ。

こじんまりしたフレンチ系レストランで、今評判のシェフだとか。
まず先に私たちが到着し、席で娘を待った。

「もうすぐ着くから」と電話をもらい、到着した彼女は、
なんと 千鳥足!

席にドスンと倒れこむように座り、「お待たせ」といった言葉は、ロレツが回っていない。
完全にヘベレケ。開いた口がふさがらない母と父。

「ちょっと、酔っぱらってるの?」と聞くと、「うん。飲み過ぎちゃった」と娘。
私たちと別れた後、友人とその家族で、大いに盛り上がり、気をつけていたのに、ついつい飲んでしまったらしい。聞くと、この状態の友人が10人以上だとか。

怒る気にもなれず、「大丈夫?」と声をかけると、答える気力もないらしく「ちょっと、黙っててくれる?」と一瞬むかっとするような返事。夫の顔が引きつるのを見た。

おーまーえー!!
と、怒鳴りたい気持ちを抑えて、待つ事しばし。

ウェイターが来て、「お水をもう少しいかがですか?」と聞きながら、答える前に「いりますよね」と、娘に水を注ぐ。分かってらっしゃる。

私たちも唖然としたが、それよりびっくりしたのはウェイターだったであろう。こんなおしゃれなレストランに泥酔状態の客が来るなんて。しかも、若い娘。

ろれつが回らない状態で、友人に電話をする娘。聞いてると、持っていたコートが無いという。お店に置いてきたのか、持って出たのか。数人に聞いた後、持って出た事がわかる。って事は、途中で落としてきたかも、、、と、がっくりする娘。

「大切なものは持っているから、良かったんじゃないの」と慰める父母。

こんな状態で食事ができるのかしら?と思っていたら、メインが来るころには、なんとか元に戻り始め、美味しい食事をのがさずに済んだ。

すっきりした顔で、デザートを食べ終わる頃に、はた!と思いだした彼女。
「もしかしたら、レストランの受付にコートを預けてあるかもしれない」と。

帰り際、ウェイターに一言お詫びをする彼女。
「卒業式だからしょうがないね」と寛大な態度の彼ら。
そして、手渡された、探しまくった彼女のコート。
「酔っていても、しっかりしてるじゃん」って娘。

半ば呆れながらも、「今夜は本当に済みませんでした」と謝る娘。
まー、多めにみましょう。今日ばかりは。

そして、とにもかくにも、

卒業おめでとう! 

9月からは、日本で一人暮らしをしながら、大学の研究生として学ぶ。
いい人たちと巡り合える事を心から祈っているからね。

ps:このレストラン。かなり美味しい。ミシュランのふたつ星を取っているとか。お勧めです。
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by suzume-no-oyado | 2009-09-12 21:14 | 子育て・娘 | Comments(6)
Commented by さとみーな at 2009-09-14 16:07 x
ご無沙汰しています!
拝読していましたが、なかなかコメントを書くまでに至りませんでした。
スズメさんも、色々お忙しい時間を過ごされんですね。

まずは、長女ちゃんのご卒業、おめでとうございました!
私からすると、一人で生活もされていて、すっごく大人なんだと思ってましたが・・・・・(笑
ま、卒業式の日。
そんな日もありきで・・・・(笑

さて、始まりました!
そして、夫はUSAへ(笑)←夫には内緒ですが(苦笑


Commented by suzume-no-oyado at 2009-09-14 21:16
さとみーなさん、やっと解放されたのですね。おめでとう。

21歳。大人なんだか、子供なんだか。でも、ああやって、羽目を外しながら、学んでいくんだと思います。(だといいですが、、、)

今晩、日本に発ちます。今回は9日間なので、あっと言う間です。
遊びに行くんじゃないぞ!と今から自分に言い聞かせています。
Commented by ポポ手 at 2009-09-17 12:18 x
ご卒業、おめでとうございます! 
美味しいお食事も楽しめたようで、良かった良かった。ウエイターもさすがな感じ。

日本でも、いい経験ができますように。
Commented by suzume-no-oyado at 2009-09-19 00:52
ぽぽ手さん、ありがとうございます。まったく、思い出深い卒業式になりました。

時間があったら、日本の携帯に連絡ください。
Commented by Sagami at 2009-09-19 04:12 x
ご卒業おめでとうございます!(出遅れちゃった)
式の間はうるりとしなかったの?(それともご主人の災難でそれどころじゃなかった?)千鳥足で星付きレストラン!やるねーで、復帰して食べちゃうところに若さを感じます。
ご両親も感慨ひとしおでしょうねぇ。お疲れさまでした。
うちの息子は4年のマスターコースなのであと3年あるけどあっという間なんだろうなぁ。そして次男、娘とあっという間にみんな巣立つのねー
Commented by suzume-no-oyado at 2009-09-20 01:22
sagamiさん、ありがとうございます。
式の前は、少しはうるっとしたんですが、お察しのとおり、隣のイライラにイライラしていました。

そう、あれだけ正体がなくなっていたのに、数十分で立ち直るんですから、若いってすごいですよね。

そうです。あっという間です。楽しんでください。
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