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La plagne パート3

去年、肉離れを起こした時の、あの「ぐにゅ~」と伸びた感覚が、まるで昨日のように思い出された初日。肉離れ経験者の友人オクも、この「ぐにゅ~」がキーワードらしく、この言葉を言っては、二人でゾゾッとしていた。

それでも、3日目ともなると、だいぶ感覚が戻ってきたが、いまだ青コースから脱しきれない。プラーニュは、青コースも赤コースもそれほど差がないのだけれど、ビビりの私にとっては、「赤」を見ただけで、やっぱり、のどがゴクンとなってしまう。以前は、赤コースばかり滑っていたのに、この変わりよう、、、。

3日目は、朝から雪でかなり視界が悪くて、疲れたけれど、4日目は朝から快晴。この日は、お昼過ぎまでの遠出。途中、サラミやチーズのお店を持っているコーチが、ワインやサラミ、チーズを持ってきてくれて、雪の中でピクニック。いいコーチだ。

4日目には、パリからあけみちゃんが合流。2日間、すっかり体育会系になる。が、去年までのように滑れなかった。

去年の夏以降、甲状腺異常で体力が低下したせいか、以前なら1本で滑れた距離が、途中休みを入れても、息絶え絶え。あまりの、ゼ~ゼ~ハ~ハ~に自分が情けなくなった。

あけみちゃんとの1日目の午後。オクはちょっと疲れ気味だったので、ホテルに戻り、二人で山の反対側に行ってみた。

コース一つ一つにそれぞれ名前がついているのだが、その中に「神風」「腹切り」という、なんとも悪趣味な名前が。

「腹切り」を滑ろう、とあけみちゃん提案。が、名前でビビった私のために、もう一つの赤コースを選んだのだけど、これが、なんともはや、大失敗。

長いのは分かっていた。赤コースだと言うのもわかっていた。が、、、これって、本当に赤???行けども行けども、林道コース。途中、2か所ほど、滑れる斜面があったが、1時間半ほど歩いてばかり。アルペンスキーじゃなく、ここはクロスカントリーか!と腹立たしいやら、苦しいやら。スッスッと歩けるならまだしも、途中上り坂ありで、息はきれるは、汗はかくやらで、体力をつけるための強化合宿かっ!と叫びたくなる。

別に待ってもらいたかったわけじゃないけど、先を行くあけみちゃんは見えなくなるし、
「も~いやだ~!」と泣き言を言いながらの1時間半。まるで、おこちゃま状態。

それでも、終わりはあるもので、やっとふもとに到着。その後は、ロープーウェイを乗り継ぎ山頂へ。お昼を食べて、ゆっくりホテルまで戻った。行ってみないと分からないとは言え、まったくもって、時間を無駄にした。「二度といかないっ(怒」と、同感のあけみちゃんと私。

最終日は、オクとあけみちゃんの3人で1日滑る。かなり上に登った時、滑るはずの赤コースが整備のため閉鎖中。残るは、なんと黒コースのみ。冗談じゃない!と思っていると、レスキュー隊の人たちが言う事には、「雪のコンディションはいいし、黒と言っても赤に近いから、大丈夫」だと。

下手な人がそう言うなら信じられるが、エキスパートが言うんじゃ、まったくもって信じちゃいけない。なので、あけみちゃんだけ滑り降りる事になり、私とオクは、ロープーウェイで、次の地点まで逆戻り。

途中、後ろに見える斜面を見ながら、「正しい決断」を実感。案の定、「赤コースと変わりない」をうのみにしたスキーヤー達が斜面で立ち往生。ああ、行かなくて良かった。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、いよいよバカンスも終わり。
午後出発のオクにお別れを言って、私は、朝9時半にバスに乗り込む。ホテルから一緒のイタリア人とシャンベリーまで同行。

ロベルトは、イタリアの南出身の旅の専門誌のジャーナリスト。世界中を回っていると言う。背は小さめだけど、細身ながらスポーツマンらしく、引きしまった体型。40代半ばくらいで、なかなかおしゃれ。すごくハンサムってわけじゃないけど、精悍な顔立ち。帽子が良く似合っていた。

いろいろ話しているうちに、帽子から覗く長髪に、なにやら見覚えが。

ああっ!この髪は、もしや、毎晩レストランで見かけた、あの見事なV字ハゲ!まるで、コマネチ顔負けのアングルのハゲ。しかも、残った髪が真っ黒ときてるから、コントラストがこれまた見事。その見事なハゲにやけにムキッとした鍛えた後姿は、まさに目の前のこの方。

素敵な方だったけど、なんだかガッカリ。だって、帽子の後ろにv字ハゲが見えてしまうんだもの。ああ、こんな事を言ったら、ハゲの方から石を投げられてしまうかも。別に、ハゲが嫌いなわけじゃないが、やっぱりv字ハゲより、ショーン・コネリーのような美しいハゲのほうが、断然好み。

最後まで楽しませてもらった1週間のスキーホリデー。元気で帰宅した次の日、ゲロゲロで目が覚めた。風邪がお腹に来たらしい。毎日ふたりでボトル1本飲んでいたのが、こんな形でツケが来ようとは。トホホである。
by suzume-no-oyado | 2010-02-02 06:26 | 暮らし
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