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一目惚れ

イギリス時代のカレッジの仲間にバングラディッシュの女性がいた。
1度彼女の家で、ランチ・パーティーが行なわれた時、貴重な体験を2つした。

ひとつは、カレーを手で食べた事。
インドでも地域によっては手で食べないと言うが、彼女の国では手が普通。
それも、右手である。左手は「不浄の左手」とか言って、使わない。
これも、気にしないって説もあるらしいけどね。

彼女はとてもきれいに食べる。
手をすぼめて、まるでスプーンのよう。
かたや、私。
ポロポロポロポロ。
「カレーを手で食べるなんて、ちょっと野蛮」って少しでも思ってたのが恥ずかしい、、。
文化ってすごいや。
改めて思う。

食事の後、彼女のいとこの結婚式のビデオを見せてもらう。
こりゃまた、衝撃である。

ビデオを見ながら、彼女の説明。

先ず、出会い。
お付き合いというものが無い。
パーティーとか紹介やらで、気に入った人と出会ったら、そこで結婚するか否かを決断。
「ねぇ、俺達つきあわない?」ってノリではない。
お見合いよりスピーディー。
で、YESとなったら、結婚式まで会ってはならない。
未来が見える超能力が欲しいところである。

数ヵ月後に結婚式。
結婚式は、1週間行なわれる。
6日間、花嫁側と花婿側に分かれ、それぞれの家でワイワイと。
大変だけど、賑やかで良いかな、なんて思ったら、とんでもないっ!
当の本人達は、座っている(しかも床)だけで、自分で飲み食いも出来ない。
お付きの人にして貰わなくてはいけないのだ。
げっ、めんどくさい。それを、6日間も~、とのけぞってしまった。

こんなので、驚いてはいられない。

晴れて、7日目。
花婿が花嫁の家へ到着。
両者、仲良く並んで座る。
が。
見ちゃいけない。お互いを。
直接にはね。
見たいときは、お付きの人が鏡をかざして、鏡越しになら見れるってわけ。
なんかすごいね。
ここでも、当人達は食べさせて貰ってた。

ジャーン。
お開きタイム。
花嫁、花婿はベッドルームに案内される。
そこには、真っ白い大きなベッドがあり、
その上にバラの花びらで大きなハートが描かれてあった。
かなり、ベタい。

そこで、やっと2人きりになれたわけである。
めでたし、めでたし。

このご時世に、まだこんな仕来りが残った国があったとは、、。
驚きである。
パングラディッシュは貧富の激しい国だから、これは中流以上の事になるんだろう。

こんなのイヤって思っちゃうけど、彼女にしてみれば、これが普通。
普通って事は、別に不幸とか思わないんだろうね。

幸せって、人それぞれだものね。

とは言え、自由な国に生まれてよかった-って、思わずにはいられない。
by suzume-no-oyado | 2006-05-14 15:58
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