優しい目

また、耳鼻科のお世話になりそうである。

次女が4歳か5歳の頃。
目の前で話している時は気がつかなかったが、車で音楽を聞いてる時も、
リビングでテレビを見ている時も、かなり大きな音量じゃないと、聞こえないと言う。
こりゃ、おかしいってんで、ホーム・ドクターに連れてった。
イギリスでは、直接、専門医に連れて行けない。
先ずは、ホーム・ドクター。
いわゆる、どちらかと言うと内科専門の一般医である。

「あー、耳クソがたまってたんですね。」と、言われた。
でも、その後も、やっぱり聞こえない。
きちんとした、検査をお願いする。
「必要ないとは思いますけど、ご心配なら。」と、予約して貰う。

検査当日。
娘は検査ドクターと近い距離で向かい合って座り、なにやらお話を。
その直ぐ後ろで、助手が懐中電灯のかなり大きいようなもので、
雑音をガーガー出している。

何やってんだ???

検査終了。
「会話レベルでは、何の問題もありません。」って。

違う、違うって!
そんなの分かってるって。
私はそれ以上の事が知りたかったのよっ!
こんな原始的な検査しか出来ないのかと、腹が立つやら呆れるやら。

その直ぐ後、日本へ行ったので、気を取り直して検査して貰う。
レベルが違うね。  器具から何もかも。  なんか安心。

浸出性中耳炎。
鼓膜の内側に水がたまる。だから、水中に潜った時のように音が聞こえると言う。
しかも、かなり悪い状態。
直ぐ、手術が必要だと。

心配だけど、イギリスに戻ってする事にした。

ミスター・ウィルソン。担当医。山村聡似の優しい顔立ち。
次女はすっかりお気に入り。

耳にチューブを入れる手術。
簡単な手術と言えども、全身麻酔をする。
アレルギー体質だから、チョット心配。

ナースが来て、手の甲にクリームを塗る。
針を刺しても痛くなくなるマジッククリーム。
それでは、シアター(手術室)に、いざ参らん。
シアターの手前まで、一緒に行く。
そこで、麻酔。
次女を怖がらせない為、ナースがいろいろ話し掛ける。

「そう、ミスター・ウィルソンが大好きなの。 彼の何処が好き?」と、ナース。
「目が好きなの。」と、次女。
「そうねー、優しそうな目だものね。」
「じゃ、この先生のは?」と、麻酔医の先生を指差した。

一瞬、やな予感。
この先生、目のやけに大きなインド人の女性。

みんな、次女がなんか可愛い事を言うんだろうって、期待顔。
ワクワク。

「こっ、怖いっ、、、、。」

えっ!?    一瞬にして場が凍った。

とってつけたような言葉を並べ、場をしのいでみたが、無駄な努力。
聞かなきゃ良かった、とのムードいっぱいの中、麻酔をかけられた次女が
運ばれていった。

あ~、あせった。

後で次女にその事を言ったら、そういう意味じゃなかったと言う。
じゃ、どういう意味?
麻酔の針がチラチラして、そっちが怖かったんだって。
ふーん、そうだったの。

でも、今更、言い訳できないしね。
ゴメンね、先生。
by suzume-no-oyado | 2006-06-11 17:57 | 子育て・娘
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