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合言葉

「昭和一桁」の中身を持つ夫。
そういう夫だから、新婚時代もイヤにあっさりしていた私たち。

とは言え、それなりに和気あいあい、くだらなくて今はできない事も新婚時代は
じゃれる子犬のようにやっていたような。

思い出すのは「合言葉ごっこ」。

会社から帰ってくると鳴らすインターホン。
家の中で、受話器を取る私。
「ただいま」と、彼。
「山」と、私。 「河」と、彼。
そこで、ドアが開けられる。

ま、犬も食わないアホなお遊び。
日によって合言葉も変え、間違えるとなかなかドアは開かない。
と、どうなるか。
大抵、「いいかげんにしろよ~」と、雲行きが怪しくなるので、
引き際を見定めなきゃならない。

ある日の事。

夫の帰宅時間に(別に決まってはいなかったが)インターホンがプーとなった。
受話器を取ると、「蕎麦屋です」と。
なに、馬鹿やってるんだ。 そんな声色使ったって、私は騙されないって。

「蕎麦なんて頼んでません。」とまともに返してやった。
すると、「え~、確かにこちらですけど」と、奴も引かない。
ばっかじゃないの、と思いながら、また答える。
「なにが、蕎麦屋よね~。」
「いえ、蕎麦屋なんです。」
しつこいな~。まだ、言うか。
いろいろからかった挙句、なんか今ひとつつかみ所がないので、ちょっと嫌な予感が、、。

少々お待ちください、と言って、玄関に走った。
小さな穴から(あれ、なんて名前なのでしょう?)ドアの外を覗いて見た。
ゲ、ゲッ!!
外に立っていたのは、「ハゲ・チビ・デブ」の絵に描いたような蕎麦屋のオヤジ。

慌てた私は、ドアを開けて話せば良いのに、またまたインターホンに舞い戻り、
受話器を取った。
「すみません!すっかり夫と間違えてしまって。とにかく、うちじゃありません。」
と、お断り。
さんだからかわれた蕎麦屋はすごすごお帰りになった。

あ~焦った。

インターホンはカメラ付きに限る。
by suzume-no-oyado | 2006-12-05 06:38 | 暮らし
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