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ナティビティ・プレイ

娘達が幼稚園の頃、今時分と言えば「ナティビティ・プレイ」の練習の真っ只中。
「ナティビティ・プレイ」とは、キリストの生誕劇の事である。
ストーリーは当然同じだけれど、毎年趣向を凝らしてある。

数人の女の子達が天使に連れられて、世界各地のクリスマスを見に行ったり、大きく光る星が主役だったり、色々。

子供がそういう劇に参加できるようになると、がぜん張り切り期待した私。
と言うのも、幼少の頃、劇と言ったら、主役、準主役を総なめにしていた母。
その娘なんだから、誰かしらその血筋は受けついている筈!

が、なんだかなー。 しっかり期待はずれ。

長女は2年を通して、言った台詞はたった一つ。
もうひとりの羊飼いの子はたくさんの台詞があったのに。
どうして?どうして、うちの娘には台詞がないの?
そうしたら、長女の言う事には、同じくらいあったのだけど、イヤだから減らして貰った、と。

これが、私の娘かっ!って疑ってしまった。

次女の時も、この子の方が好きそう、と思ったが、これもハズレ。
彼女はそれでも、ちょっと華やかな天使の役を貰っては来たが、喋りゃしない。

その後、学年が上がっても、劇で人前に出ることは無かった二人。
それでも、バイオリンや器械体操で学校からは頼りにされ、私もそれなりに鼻の高い思いをさせてもらった。 ありがとう娘達。

そんな「生誕劇」にまつわる話。
初めてのカルチャー・ショック。

長女の生誕劇が終わったあと、幼稚園のチェンジング・ルームに写真が貼られた。
ある朝、母子がその写真を見ながら話している。
「可愛いコスチュームじゃない。」と母。
仕事をもっている彼女は娘の劇を見てやれなかったらしい。
「あらっ、みんな無地の赤いタイツをはいてるのに、あなただけ白い模様が入ってるじゃない。」と再び母。

そこで、ひとり勝手に次の言葉を想像。
なのに、その母親が言ったのは、

「みんなと違ってステキっ!」

えっ!? 意外な言葉にびっくり。
私がなにを想像してたかって?
そりゃ、統一を好む日本国民。 ひとり違った格好をしている娘に言う言葉はひとつ。
「なんで、みんなと同じにしなかったの?」

なのに、なのに。

違うってことはステキな事、そう伝える母親。
頭のフレームが少し外れる。

そうか、そうなんだよね。  爽やかな感動だった。

とは言え、あの頃ここまで違った歩み方をするとは思いもしなかった次女。
この母親のように「あら、ステキ」とは言ってあげられないが、
悩みに悩んだ日々を通り越した今、この経験がどう転ぶか興味津々である。
by suzume-no-oyado | 2006-12-10 21:09 | 子育て・娘
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