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スコティッシュ・ブレックファスト

来週は、イギリスで言う「ハーフ・ターム」、フランスでは「トゥッサン」と呼ばれる1週間の秋休み。余裕教育をと、土曜日休みにしただけで、学力が落ちた、と騒ぐ日本ではありえないお休み。

でも、どうなんだろう?

イギリスでは(フランスはまた違う)、学校は土日お休み。しかも、年に3回「ハーフターム」と呼ばれる1週間の中休みが入る。

家庭教師はあっても、塾なんてもちろん無い。確かに大学進学率は日本のそれに比べたら確実に低いが、それでも、大卒者は優秀な人が多い。数字での結果はもとより、多感な高校時代、勉強だけでなく、スポーツ、音楽も諦める事無く大学受験ができる事こそ、余裕の教育だと思う。

彼らの場合、問題は教育システムと言うより社会のシステムの気がしている。
「ゆりかごから墓場まで」の補償の国、イギリス。一見、素晴らしいように聞こえるが、これもかなり無理があり、医療に於いて言えば、ベッド数が足りず、手術待ちで間に合わないケースが多数と言う現状。

失業保険や低所得者への補助金が充実しているのは良いが、それによって労働意力を低下させているのも事実。

20年前、イギリスで暮らし始めた時、「ジョブを見つけにジョブ・センターに行こう!」と、TVコマーシャルでやっていた。就職口が無いのではなくて、働こうと思う人が少ないって事にカルチャーショックを受けたっけ。だって、国から支給されるお金で、贅沢は出来なくとも普通の生活は出来てしまうんだもの。遊んで暮らせりゃ、特に若者は働こうとしない。

最近、日本でもそういった、ロー・クラス(低階級)意識が問題になってきているかんじだけど、イギリスは、クラス社会がもっとも顕著な国のひとつ。私立学校のパンフレットにだって、「お金が高いほど教育レベルは高い」と書いてあったのには、ビックリするやら納得するやら。つまり、お金持ちはいい教育が受けられて、貧乏人は受けられないって事。それは、何処の国だって一緒かもしれないけど、そのボーダーが確実に日本よりはっきりしていることに、「階級社会イギリス」を垣間見た。

と、そういう事を書くつもりじゃなかったんだった。

そう、来週からのお休みで、娘はスコットランドに、私とトフィー、夫はパリに行く。
娘の滞在先は友人宅となっていたのだが、むこうの都合が急に悪くなり、ホテルに滞在する事になった。

そこで、ホテル探しをしていた時に enjoy our scotish breakfast とあった。
そこで、夫に「スコティッシュ・ブレックファストとイングリッシュ・ブレック・ファストとどう違うの?」と質問。

すると、彼はクスッとわらって、「実は、まったく同じなんだぜ」と。

以前、会社の人たちとかの有名なセント・アンドリュースに行った時の事。
朝食時に、Aさんが「スコティッシュ・ブレックファストをください」と頼んだら、ウェイターはうれしそうに「もちろんでございます♪」と。
次にBさんが、「イングリッシュ・ブレックファストを下さい」と頼んだら、「は~?それはなんですか?」と愛想もこいそも無い。

そこで、スコティッシュ・ブレックファストを頼んだ全員。お皿が運ばれてきて、皆????
だって、ひとつとしてイングリッシュと違う所が無い。
Aさんが思わずウェイターに「これがスコティッシュ? どこがイングリッシュとちがうの?」と。
ウェイターは、そうですね、、、と言いながら「言うなれば、ハッシュドポテトがついてるところですかね。」と。

「ばかいってんじゃねー!イングリッシュにもついてるぜー!」と、おなかで思いつつ、黙々と食べた男4人でありました。

「○○風」と書かれた郷土料理。あまり期待しない方がいいかも。
by suzume-no-oyado | 2007-10-22 14:55 | 暮らし
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